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黌長メッセージ「学校再開へ~復興の狼煙をあげよう~」

日付 : 16-05-10 15:56     HIT : 11956    

平成28年5月10日(火)学校再開。全校集会での川上修治学黌長メッセージを掲載いたします。

    「学校再開へ~復興の狼煙をあげよう~」

 去る4月14日、16日マグニチュード6.5を越える熊本地震が県下全域を襲いました。震度7あるいは6、経験したことないゆれでした。
 現在もなお1200回(5月5日現在)を越える余震が続いています。
 この未曾有(みぞう)の熊本地震によって多くの尊い命が失われ、1万6000人(5月5日現在;1時期10万人)を越える多くの方々が、今なお、避難生活を余儀なくされています。
 こころから亡くなられた方々へのご冥福をお祈りし、被災された方々にお見舞いを申し上げたいと思います。

 ほとんどのご家庭でも被害がかなり大きかったことと思います。
 2011年の3.11東日本大震災から5年と2ヶ月あまり、再び未曾有の大地震がおころうとは、予想だにできませんでした。
 学校も昨日まで臨時休校となり、その間、生徒の皆さんも、不安な日々を過ごしたと思います。

 「みんな、ひとりじゃなかけんね。」
 こういうときだからこそ、我々は済々黌の一員として、気持ちをしっかりもって、できることから、一歩一歩、何かをはじめなければならないと思います。
 一人の1230歩より、1230人の一歩が大切です。すべての活動に於いて、いま生かされているということに感謝しながら、前を向いて取り組んで欲しいと思います。

 4月14日から本黌は一時緊急避難所(広域避難所)の指定を受けているため、体育館には最大で1000人近くの地域住民の方々が避難されてきました。
 熊本大学や他大学の学生も避難者の中にいて、ボランティア組織を立ち上げ、自主的に、組織的に、こころを込めて避難されてきた方々のお世話をしていました。
 10日以上も彼らは家に帰らず、献身的に支えました。

 その様子を見ていて、あらためて若い人たちのパワーを感じました。多くの若者がツイッターでボランティアを呼びかけ、その呼びかけに応じて、若者がひとつのこころで動きました。
 本黌の生徒諸君も多くのボランティアに協力してくれた話も見聞きしています。
 「ありがとう」、こころからそう思いました。

 自然は、ときとして、われわれ人間に受け入れがたい、悲しみや試練を課し、困難な局面を容赦なく与えます。それは歴史的にも明らかです。

 その歴史は、百年規模であったり、4百年規模であったり、時には5年であったり、現代の最新の科学をもっても予測不可能です。

 今回の未曾有の熊本地震があり、明治以来続いてきた、「第133回恩賜記念大運動会」を断腸の思いで、やむなく中止するに至りました。
 しかし、実行委員会を中心とした準備や応援団の演舞、ダンスリーダーの練習やパネル作成などにかけた時間は絶対にむだにはなりません。取り組んだプロセスや思いが生きるからです。

 今年の第133回恩賜記念大運動会のテーマは、『継往開来(けいおうかいらい)~共に駆け抜ける濟春~』でした。このテーマには「過去のものを継続し、それを発展させながら将来を開拓していく」という意味があります。先輩方が築かれた歴史を重んじながら「自分達の手で新たな歴史を創りたい。」との願いが込められていました。

 このテーマは今後の学校生活にも充分に生かせるテーマです。
 特に、君たち高校生のスポーツや芸術文化、そして学問への真摯な取組は、まわりの見る人に「感動」や「勇気」、そして「元気」を与えます。
 それは、「一生懸命さ、ひたむきさ、最後まであきらめない姿勢」に、あるのだと思います。そして自らの可能性の限界に挑戦する過程にあるのだと思います。

 同じ甚大な被害を受けた高校生として、東日本大震災から1年後、2012年3月に行われた第84回選抜高校野球開会式の石巻工業高校の阿部翔人君の悲しみをこらえながらの宣誓は圧巻でした。

 阿部君は、1年前の東日本大震災にふれ、「人は誰でも答えのない悲しみを受け入れることは苦しくてつらいことです。しかし、日本が一つになりその苦難を乗り越えることが出来ればその先に大きな幸せが待っていると信じています。だからこそ、日本中に届けましょう。感動、勇気、そして笑顔を。見せましょう、日本の底力、絆を。」と力強く宣誓しています。

 同じことを言います。「日本中、そしてくまもと、多くの被災を受けた場所、方々に届けましょう。感動、勇気、そして笑顔を。見せましょう、済々黌の底力、絆を。」

 私たちは、大自然から生かされていることに、そして、いつもお世話になっている保護者、先生、友人、そして同世代の他校生、地域住民の方々、周りのすべての方々に感謝しながら今後の活動を、「チームくまもと」、「チーム済々黌」で乗り切りましょう。
 そして、復興の狼煙(のろし)をあげましよう。私たち職員一同、授業や部活動など君たちの不安を解消すべく全力を尽くします。それに応える皆さんの健闘を期待します。われわれと一緒に頑張ろう。






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